政府は21日、経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)を閣議決定しました。高市政権にとって初めての骨太の方針で、「『責任ある積極財政』元年 ~日本の挑戦を起動する!~」という副題が付いています。リハビリテーションについては、6月30日に示された原案の本文がそのまま維持されたうえで、「効果的な訪問リハビリテーションの充実を含む」とする脚注が新たに加えられました。原案段階の内容は既報のとおりですが、本稿では閣議決定版をもとに、リハビリテーション専門職に関わる部分を中心に医療・介護・障害福祉分野の要点を整理します。
リハビリテーションはどう書かれたか
リハビリテーションが登場するのは「攻めの予防医療と疾病対策」の項です。国民のWell-beingの向上と健康寿命の延伸を掲げ、「攻めの予防医療」を推進するとしたうえで、次のように記されました。
「認知症の早期診断・早期対応、予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション、PHRの利活用と情報連携を推進する」
引用したこの一文は、原案から一字も変わっていません(同じ項に並ぶ他の施策には、「肥満症を含む疾病予防」「学齢期の健康診断の在り方の見直し」などの加筆があります)。リハビリテーションについて変わったのは脚注です。閣議決定版では「リハビリテーション」に脚注番号137が付され、「効果的な訪問リハビリテーションの充実を含む。」と記されました。原案にこの脚注はありません。原案から閣議決定に至る過程で、リハビリテーションの記述が一段具体化された形です。
脚注とはいえ、骨太の方針という政策文書に「訪問リハビリテーション」という個別のサービス名が示されたことになります。「予防・医療・介護を通じた切れ目のない」という本文の表現に対し、そこに含まれる施策の一つとして在宅でのリハビリテーションが挙げられた形です。
2025年からの差分 ―「在宅復帰」は戻らなかった
前年の骨太の方針2025(令和7年6月13日閣議決定)では、リハビリテーションは2か所に登場していました。全世代型社会保障の項の「自立支援・在宅復帰・社会復帰に向けたリハビリテーションの推進」と、「地域の多様な主体の連携協力や、成果指向型の取組等による効果的な介護予防やリハビリテーションを充実する」という記述です。
閣議決定版の全文を検索すると、「在宅復帰」「社会復帰」「成果指向型」「介護予防」はいずれも見当たりません。原案の段階で消えたこれらの語は、閣議決定でも復活しませんでした。前年は原案になかった「在宅復帰」が閣議決定で加わった経緯があり、本稿では今回も同じ動きがあるかに注目していましたが、加筆されたのは訪問リハビリテーションの脚注のほうでした。
前年に医療提供体制の項へ置かれていた自立支援・在宅復帰・社会復帰という書きぶりはなくなり、予防・健康づくりの項に、その具体策として訪問リハビリテーションが挙げられた。文書を突き合わせると、そうした構成の変化が読み取れます。
POSTが内閣府の各年版で確認した範囲では、「リハビリテーション」という表記が骨太の方針の本文に登場したのは2022年が最初です(2017年版には認知症施策の文脈で「生活機能障害リハビリの開発・普及」との記載があり、2018年から2021年までは記載がありません)。2023年に「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進」、2024年に「自立支援・社会復帰に資するリハビリテーションを推進」と具体化し、2025年に「在宅復帰」が加わりました。2022年以降、記述が年々具体化してきた経緯は4年の歩みをたどった記事で整理しています。
処遇改善と公定価格 ―「他職種と遜色のない処遇改善」
医療・介護・障害福祉等の分野については、「DX/AX、多職種連携を含むチーム医療等による生産性の向上と職員配置の柔軟化」に向けた取組を図るとともに、経営情報の見える化を進め、経営実態を把握したうえで、物価と賃金の変動に適切に対応し、経営の安定と処遇改善を図りつつ社会保障制度改革を実行する、と記されています。原案は「DX/AX等による生産性の向上」でしたので、「多職種連携を含むチーム医療等」が決定版で書き加えられたことになります。
診療報酬については、経済・物価の動向が2026年度改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和9年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む「更なる必要な調整」を行うとしています。2026年度改定は既に動き出していますが、物価・賃金の動き次第で、次年度の予算編成で追加の調整が行われる可能性を残した書きぶりです。
次期の介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定については、経営データベースの整備・活用を含め、2026年度診療報酬改定における各般の取組を参考にしつつ、賃上げの状況や事業者の経営状況等を把握したうえで、補装具費支給基準額も含め、物価の変動に適切に対応するとともに「他職種と遜色のない処遇改善の実現を図る」と明記されました。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を名指しした記述はなく、リハビリテーション専門職の処遇は医療・介護・障害福祉分野の枠組みのなかで扱われています。
高齢者の窓口負担 ― 原案で保留だった項目が決着
原案では、医療保険制度における高齢者の窓口負担の見直しは「(P)」=検討中の扱いで、記述全体に【 】の囲みが付されていました。閣議決定版では、この保留がすべて解消されています。
決定された内容は、原案の案文より具体的なものになっています。70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提としたうえで、「原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う」とし、そのための改革工程表を2026年末までに策定するとしています。
脚注では、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多






