PT・OT・ST養成校、5年で計65課程廃止──厚労省第2回検討会、看護師は今後6年で94校が廃止予定、地域別需給把握へ

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厚生労働省は2026年5月25日、「第2回 医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」を開催しました。第1回(5月7日)で出された幅広い論点のうち、足元の少子化の影響を最も直接的に受ける「地域の養成体制」を中心に議論しました。文部科学省も冒頭で資料説明に立ち、大学設置基準の特例制度や地域構想推進プラットフォームの構築方針を共有。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の専修学校(私立)が県内高校出身者・県内就職者の主たる供給源となっている実態が、データで具体的に示されました。

文科省「地域アクセス確保特例制度」──大学間連携を後押し

議事の冒頭、文部科学省高等教育局大学振興課地域大学振興室の石川雅史室長が資料1に基づき説明しました。2025年2月の中央教育審議会答申「我が国の『知の総和』向上の未来像」では、大学進学者数が2021年の62.7万人から2040年には46.0万人(約27%減)に減少するとの推計を踏まえ、高等教育の「質・規模・アクセス」の3観点で取組を進める方向性が示されています。特に「地理的観点からのアクセス確保」を新たな柱として位置付けたとのこと。

具体的な制度設計として、大学設置基準の改正で新設された「地域アクセス確保特例制度(地域高等教育機会確保特例制度)」が紹介されました。地域構想推進プラットフォーム等の意見を勘案したうえで、地域アクセス確保に資する取組を行う大学等に対し、授業科目の自ら開設要件、オンライン授業等の上限単位数、外部の基幹教員要件などを個別に緩和する制度です。大学等連携推進法人制度(連携開設科目を卒業要件上30単位まで他大学科目への置き換えが可能)と組み合わせ、地域内の大学間で科目・教員を共有する仕組みを整えるとしています。

文科省は今回、子ども家庭庁との連携で進めている保育士養成課程の事例も紹介。福井県では、県内で幼稚園教諭・保育士資格を取得できる機関が仁愛大学・仁愛女子短期大学のみとなる見込みであることを受け、知事のイニシアチブで「福井県保育連携協議会」を設置し、独自の奨学生制度を創設したと報告されました。地方部の自治体からは「県内唯一の養成校が閉校することの影響は大きい」という危機感が共通して示されているとのことです。

専修学校への波及をめぐる質疑──「医療職の話をもっと」と神野氏

文科省説明への質疑では、専修学校への支援が論点となりました。共愛学園前橋国際大学長で地域大学振興有識者会議の構成員でもある大森昭生臨時委員は、今回の仕組みは同じ設置基準で運営される大学同士の連携であり、専修学校との連携には制度上の壁があると説明。設置認可も大学は国、専修学校は都道府県と所管が分かれているため、教員や科目のやり取りは制度的に難しい部分があるとしました。一方で、専修学校についても自己点検評価の義務付けや外部評価の努力義務化など質保証強化が進んでいることに触れ、質保証の枠組みは整いつつあるとの認識を示しました。

これに対し全日本病院協会の神野正博会長は、「都市部ではなく地方の医療職確保のためには、大学だけでなく専修学校・専門学校についてもっと議論すべき」と強く主張。保育士の事例だけでなく医療職についての議論を求めたうえで、定員が半減した場合に教員数も半減せざるを得ない経営実態を示し、サテライトやオンラインを前提とした柔軟な教員配置基準の見直しを訴えました。「地方の専門学校を潰さないために、10人でも20人でも確保できるなら必要な人員。学校をどう存続させるかまで踏み込んで議論してほしい」と述べました。

養成校の廃止──看護師は今後6年で94校が廃止予定、PT・OT・STも5年で計65課程廃止

続いて厚生労働省事務局が資料2-4を説明しました。資料2の中心は、第1回での意見を踏まえて新たに追加された地域別・職種別の養成体制データです。

養成課程の廃止状況については、看護師は2020~2024年度で5年累計177課程が廃止され、現時点で把握している限り今後6年間(2025~2030年度)でさらに94校が廃止予定として把握されているとのデータが示されました。リハビリ3職種についても、2020~2024年度の累計で理学療法士28課程、作業療法士20課程、言語聴覚士17課程が廃止されています。看護師等の充足率調査では、定員充足率が40%未満の養成校が全体の約1割(123課程)に上り、その分布は全国各地に広がっていることが示されました。

養成校の設置主体については、ある県(大規模県の東京都・愛知県・大阪府、中規模県の宮城県・京都府・広島県、小規模県の青森県・石川県・大分県)のデータが新たに示され、大学・専修学校等のいずれの類型でも学校法人など資料上「民間の経営主体」と整理された設置主体が高い割合を占める実態が確認されました。例えば東京都の専修学校等101課程のうち学校法人が69%、愛知県75課程のうち63%、大阪府84課程のうち55%です。事務局は「設置者に占める公的主体の割合が低く、学生数の減少が学校経営に与える影響、ひいては地域の養成・確保に与える影響を考える際には、設置主体についても併せて考慮する必要がある」と整理しました。

県内就職率──私立専修学校が地域定着の核に

議論を象徴する新データが、ある県における学校類型別の県内高校出身率・県内就職率の比較です。事務局は「相対的な比較であり、各学校の果たしている機能が異なるため一概の評価はできない」と前置きしたうえで提示しました。

リハ3職種では次の値が示されました(同一県内の比較)。

理学療法士養成課程:専修学校(私立)は県内高校出身率94%、県内就職率81%、全卒業生に占める割合89%。これに対し大学(国公立)はそれぞれ50%、50%、11%。

作業療法士養成課程:専修学校(私立)は県内高校出身率90%、県内就職率83%、全卒業生に占める割合75%。大学(国公立)はそれぞれ40%、33%、25%。

言語聴覚士養成課程:専修学校(私立)は県内高校出身率89%、県内就職率77%、全卒業生に占める割合100%(同県内で大学養成課程がないため)。

看護師では、専修学校(私立)が県内出身87%・県内就職82%・卒業生割合71%、大学(国公立)が71%・64%・14%。診療放射線技師・臨床工学技士・歯科衛生士・歯科技工士についても専修学校(私立)が県内出身80~100%、県内就職51~91%の値となっています。事務局は「専修学校(私立)が地域の医療人材供給の中核を担っている面がある」とまとめました。

高知県の協力で示された二次医療圏別の就職データでは、中央医療圏(県庁所在地・人口54.2万人)に学校が集中し、卒業生の医療圏をまたいだ就職は限定的という結果でした。中央医療圏の二次救急医療機関に就職した新規学卒者100名のうち97名が中央医療圏内の養成校出身という分布が示されています。

論点は3点──民間経営主体の把握、需給把握と計画的対応、国の役割

資料3で示された「主な論点」は次の3点です。

①民間経営主体の把握と連携:養成体制において民間の経営主体が多い中、各都道府県ごとに各学校の教育・運営状況等を密に把握し、連携をとっていく必要があるのではないか。

②需給把握と計画的対応:各都道府県ごとに、学校の入学・卒業生の動向等を含め、医療関係職種の需要・供給の状況を把握し、それを踏まえて「なり手」確保策や養成体制の連携・再編等の方策を定め、計画的に実施していくことが必要ではないか。

③国の役割(メニューと環境整備):こうした方策は地域の状況・課題を踏まえ、都道府県ごとに適切な選択ができるメニューや環境整備が必要ではないか。

複数の構成員がこの3点に関連する視点を補強しました。一方で、追加すべき視点も多数提示されました。

PT協会・斎藤秀之会長──「専門職大学はこのフレームに含まれるか」

日本理学療法士協会の斎藤秀之会長は、文科省の地域アクセス確保特例制度について、専門職大学も対象に含まれるかを確認しました。文科省側は「専門職大学も大学制度の一部であり、フレームに含まれる」と回答しています。理学療法士の養成では一部の専修学校が専門職大学への転換を進めているため、制度の対象範囲は実務上の関心事項となります。

OT協会・山本伸一会長──「社会人入学者の経済的負担への配慮を」

日本作業療法士協会の山本伸一会長は、地域の養成体制整備に賛同したうえで2点を要望しました。第1に、高卒者中心の学生募集に加えて大学進学後の進路転換者・既卒者を受け入れる教育体制の整備が必要との指摘です。山本氏によると、社会人経験者は対人理解、マネジメント、地域連携に強

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