- 賃金改善を必ず実施する対象は看護職員等(保健師・助産師・看護師・准看護師。非常勤を含む)。ただし保険医療機関の実情に応じて、看護補助者・理学療法士・作業療法士その他別表1に定める職員を賃金改善措置の対象者に加えることができる(施設基準通知 第104の1(3))。退職手当の改善に用いることはできない。
- 区分1〜165の多段階構造。区分1〜145は区分N=N点(線形)、区分146以降は10点刻みで増加(146=150点、147=160点...165=340点)。
- 1日につき1回算定。入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定入院料、短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)を算定している入院患者が対象。
- 区分計算は看護職員数・延べ入院患者数等から算出。対象職員数に1割以上の変動があった場合は再計算・届出(疑義解釈その3 問4)。
- 派遣の看護職員も一定要件下で対象可(派遣元と相談・同程度以上の賃金改善・賃金改善実績報告書等への記載)。業務委託職員は対象外。
基本情報(令和8年度改定後)
算定点数の構造(区分1〜165)
区分1〜145:区分N=N点(1日につき) ─ 区分1=1点、区分50=50点、区分145=145点
区分146〜165:10点刻みで増加 ─ 区分146=150点、区分147=160点、区分148=170点、…、区分165=340点
区分は地域(地域加算の級地区分)・看護職員数・延べ入院患者数等から算出した値で決まる(詳細は基本診療料施設基準通知の計算式を参照)。
算定点数表(代表区分・所定点数)
| 区分 | 点数(1日につき) |
|---|---|
| 区分1 | 1点 |
| 区分10 | 10点 |
| 区分50 | 50点 |
| 区分100 | 100点 |
| 区分145 ─ 線形区分の上限 | 145点 |
| 区分146 ─ 10点刻み開始 | 150点 |
| 区分155 | 240点 |
| 区分165 ─ 最大区分 | 340点 |
算定要件(告示注書)
- 注:看護職員の処遇の改善を図る体制その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、第1章第2部第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む)、同部第3節の特定入院料又は同部第4節の短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)を算定しているものについて、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。
- O000はベースアップ評価料(O001-O003)とは別の制度で、看護職員に特化した賃金改善加算。看護職員以外の医療職種には適用されない。
対象職員(看護職員のみ)
この場合において、賃金の改善措置の対象者については、看護職員等に加え、当該保険医療機関の実情に応じて、看護補助者、理学療法士、作業療法士その他別表1に定める職員(非常勤職員を含む)も加えることができる(施設基準通知 第104の1(3))。
O001-O003と異なり、40歳以上の医師等の除外規定はO000には適用されない(医師・歯科医師は元から対象外のため)。
派遣の看護職員については、一定要件(派遣元と相談・同程度以上の賃金改善・賃金改善実績報告書等への記載)を満たす場合に対象とすることが可能。業務委託職員は対象外。
対象職員数に1割以上の変動があった場合、改めて区分を算出して区分の変動があれば、算出を行った月内に地方厚生(支)局長に届出を行った上で、翌月から変更後の区分に基づく点数を算定する(疑義解釈その3 問4)。
算定対象患者・対象入院料
・第1章第2部第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む)
・同部第3節の特定入院料
・同部第4節の短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)
改定の根拠(中医協答申 短冊原文)
▶中医協答申(短冊)原文 ─ 賃上げに向けた評価の見直し出典: 個別改定項目について p.18-26(Ⅰ-2-1-①)
第1 基本的な考え方
看護職員、病院薬剤師その他医療関係職種の確実な賃上げを更に推進するとともに、令和6年度診療報酬改定で入院基本料や初・再診料により賃上げ原資が配分された職種についても他の職種と同様に賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築する観点から、賃上げに係る評価を見直す。
第2 具体的な内容
1. 入院医療、外来医療及び在宅医療等の医療提供体制を支える、保険医療機関に勤務する幅広い職員の人材確保及び確実な賃上げを実施する観点から、賃上げの対象となる職員に係る要件及び評価を見直す。
2. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び(Ⅱ)並びに歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関において異なる評価を行う。また、令和8年度及び令和9年度において段階的な評価とする。
3. 夜勤職員の確保を行う観点から、看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることを可能とする。
【看護職員処遇改善評価料】施設基準(改定案)
(5) (3)について、安定的な賃金改善を確保する観点から、当該評価料による賃金改善の合計額の3分の2以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当(以下「基本給等」という。)の引上げ(以下「ベア等」という。)により改善を図ること。
なお、恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当については、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない。
※ 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)並びに入院ベースアップ評価料においても同様。初診時・再診時等・訪問診療時の点数は外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の規定であり、看護職員処遇改善評価料には設けられていません。
留意事項通知 抜粋(保医発0305第6号)
対象職員(看護職員)数に1割以上の変動があった場合、改めて区分を算出して区分の変動があれば、算出を行った月内に地方厚生(支)局長に届出を行った上で、翌月から変更後の区分に基づく点数を算定する(疑義解釈その3 問4)。
医療観察法制度等の公費負担医療や労災保険制度等によりO000が算定される患者の診療回数(入院日数)についても区分計算に算入する(自由診療の患者は除く。疑義解釈その3 問2)。
関連する疑義解釈 Q&A(原典抜粋)
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、調剤ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)については届出前の1月における給与の支払い実績が必要。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、入院ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)については届出前の3月における給与の支払い実績が必要。
厚生労働省 一次資料
本ページは厚生労働省が公表した告示・通知・疑義解釈資料を編集部が整理したものです。
個別具体的な算定の可否や施設基準の充足判断については、所管の地方厚生局またはお手元の保険医療機関の事務担当者にご確認ください。
記載内容は最新情報を反映するよう努めていますが、最終的な解釈は厚生労働省の発出資料をご確認ください。
算定点数・要件・期間等は告示原文(令和8年厚労省告示第69号)、留意事項通知(保医発0305第6号)、施設基準通知(保医発0305第8号)、疑義解釈資料(その1〜その4)を一次資料として確認。二次資料との突き合わせクロスチェックを実施。

