企業の健康投資、2040年に2倍へ 健康経営度調査に睡眠の独立項目を新設

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経済産業省の健康経営推進検討会が14日、令和8年度の健康経営度調査の改訂方針を示しました。これまで肩こり・腰痛などと同じ設問にまとめられていた睡眠を、独立した項目として新設する案です。企業の先進事例を選ぶ枠組みには「高年齢従業員に配慮した健康づくり」が並びました。スポーツ庁も出席し、職場の運動・スポーツの効果を整理した資料を示しています。運動指導や身体機能の評価に関わるリハビリテーション専門職にも接点のあるテーマが揃いました。

睡眠が独立項目に、生産性低下防止の設問から切り出し

健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む経営手法を指します。健康経営度調査は、その取り組み状況を経産省が把握する調査です。回答結果は、経産省と東京証券取引所が共同で上場企業を選ぶ「健康経営銘柄」や、日本健康会議が認定する「健康経営優良法人」に使われます。

令和7年度の調査票では、睡眠は生産性低下防止に関する設問の一部でした。設問名は「従業員の生産性低下防止への施策(睡眠、肩こり・腰痛、飲酒、花粉症、眼精疲労などを含む)」です。令和8年度は、大規模法人部門に「睡眠の質向上に向けた取組」を独立した設問として設ける案が示されました。食生活の改善、運動機会の増進と並ぶ位置づけになります。

経産省はその背景として3点を挙げました。第一に、経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)の原案(7月14日時点で閣議決定前)に「睡眠対策を含む健康経営の推進」が明記されたことです。第二に、2026年3月に睡眠ヘルスケア協議会とSleep Innovation Platformの2団体が連名で「睡眠関連商品及びサービスの有効性評価に関するガイドライン」を公表したこと。第三に、2026年6月から医療機関が内科・精神科などと組み合わせて「睡眠障害」を診療科名に使えるようになったこと(改正医療法施行令、6月1日施行)です。設問の選択肢には、睡眠改善を目的としたウェアラブルデバイスの配布などを加える案が示されています。

令和7年度調査に回答した大規模法人4,175社のうち、睡眠障害や業務中の眠気による生産性低下の予防として実施している内容をみると、仮眠室の設置が60.8%で最も高くなりました。次いで睡眠関連指導の導入が47.1%、睡眠改善アプリの導入が39.6%、その他が35.4%です(複数回答)。SAS(睡眠時無呼吸症候群)検査の実施は18.9%、仮眠制度の導入は5.1%にとどまっています。

先進事例の5テーマに高年齢従業員の健康づくり

令和8年度から「テーマ別ベストプラクティス」の選定が始まる予定です。経産省が企業に取り組みを促したい5つのテーマについて、先進的な事例を集める枠組みになります。大企業10社・中小企業40社を選んで公表します。

5テーマは、女性の健康保持・増進、仕事と介護・治療・子育ての両立支援、睡眠の質向上、高年齢従業員に配慮した健康づくりや職場環境整備、その他です。審査は先進性・横展開の可能性・実効性の3つの基準で行います。子育て支援のくるみん、女性活躍のえるぼし、スポーツ推進のスポーツエールカンパニー2026など、他省庁の認定取得は加点要素となります。選定企業の公表は2027年3月の予定です。

健康投資額、2025年の約1兆円から2040年に約2倍へ

検討会では、日本成長戦略(案)と官民投資ロードマップ(案)に盛り込まれた政府目標も共有されました。企業・保険者による健康投資額を、2025年の約1兆円から2040年までに約2倍へ拡大する内容です。

これを受け、令和8年度の健康経営度調査(大規模法人部門)では、企業の健康投資額を問うアンケート設問を新設する方針です。配点はなく、評価対象にはしないとしています。調査で想定する費用の範囲には、産業医・保健師など産業保健スタッフの人件費、健康増進に関する費用、教育・研修費用などが含まれます。

スポーツ庁も出席 職場の運動、パフォーマンスや定着との関連を提示

検討会にはスポーツ庁健康スポーツ課が出席し、職場の運動・スポーツの取り組みを報告しました。令和7年度のスポーツの実施状況等に関する世論調査によると、週1日以上運動・スポーツを実施する20歳以上の割合は51.7%です。年代・性別にみると、30代女性が40.3%、40代女性が41.9%と低い水準にあります。同年代の男性も30代51.6%、40代50.9%で、20歳以上男性の平均55.0%を下回ります。スポーツ庁は、仕事や子育てで忙しい20代から50代の働く世代で実施率が低いことを課題に挙げました。

スポーツ庁が令和7年度に実施した「職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究」(みずほリサーチ&テクノロジーズへの委託事業)では、職場の取り組みに参加して運動が習慣化した従業員と、取り組みを利用・参加していない従業員の差が示されました。病気やけががないときに発揮できる仕事のパフォーマンスの自己評価(10点満点)は、習慣化した従業員が平均8.5点、参加していない従業員が7.9点。「今の職場で働き続けたい」に「とてもそう

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