障害福祉の「意思決定支援ガイドライン」9年ぶり改訂へ 「本人の最善の利益」の記載を削除、「意思と選好に基づく最善の解釈」で再定義

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厚生労働省は10日、社会保障審議会障害者部会(第157回)に「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン(第2版)」案を示しました。平成29年3月の策定から9年以上を経た改訂案で、国連の障害者権利委員会が懸念を示した「本人の最善の利益」に関する記載を削除し、「意思と選好に基づく最善の解釈」を軸に意思決定支援を再定義する内容です。生活介護やグループホーム、就労系サービスなど障害福祉の現場に関わるリハビリテーション専門職にとっても、日々の支援の前提となる意思決定支援の考え方を捉え直す材料となる内容です。

改訂の背景──国連総括所見が「最善の利益」に懸念

現行ガイドラインは平成29年3月に作成され、事業者が意思決定支援を進める際の標準的なプロセスを示してきました。令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定では、意思決定支援の推進が指定基準に規定されています。

改訂の背景の中心にあるのは、国連障害者権利委員会が令和4年10月の対日総括所見で、現行ガイドラインにおける「the best interest of a person(本人の最善の利益)」という言葉の使用に懸念を示したことです。資料によると、総括所見は最善の利益を中心とした「代行決定」の発想から、本人の意思・選好・価値観を中心に据えた「支援付き意思決定」の体制構築を求めました。

第二期成年後見制度利用促進基本計画の中間検証報告書(令和7年3月)でも、総括所見や障害者基本法の趣旨を踏まえた改訂を含む見直しの検討が必要とされました。これを受けて厚労省は、令和7年度の調査研究事業(座長:曽根直樹・日本社会事業大学客員教授)でガイドライン改訂の検討を進めてきました。認知症、身寄りがない人の入院・医療、後見事務など他分野で意思決定支援ガイドラインが発出され、構造を再整理する必要が生じたことも背景に挙げられています。

第2版案のポイント──「本人主体」を理念・信条として明示

部会資料が挙げる第2版案のポイントは次のとおりです。

  • 「意思決定支援の主体」はあくまでも本人であるとする本人主体の考え方を「理念・信条」として明示
  • 「本人の最善の利益」に関する記載を削除し、国連文書の「best interpretation of will and preferences」を踏まえた「意思と選好に基づく最善の解釈」という表現に基づき意思決定支援を再定義
  • 意思決定支援のプロセス(意思形成支援/意思表明支援/意思実現支援)を明確化
  • 支援が困難と想定されるケースを本文と分けてコラムで整理
  • 障害特性に応じた合理的配慮・情報アクセシビリティの記載を追加
  • ICTツール(ク
障害福祉の「意思決定支援ガイドライン」9年ぶり改訂へ 「本人の最善の利益」の記載を削除、「意思と選好に基づく最善の解釈」で再定義

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