財務省、医療・介護の生産性低下を可視化 ── 30年で製造業+90%超、「より少ない労働投入で質の高いサービスを」

2137 posts

財務省は4月17日、「財政総論」と題する資料で、医療・介護を含む保健衛生・社会事業が過去30年間で労働生産性を低下させた、主要産業の中で例外的な産業であると指摘しました。製造業が90%超の生産性向上を実現した一方、労働投入量を急拡大させながら生産性を下げた構図を散布図で可視化。「より少ない労働投入量で質の高いサービスを」と踏み込んだ表現も明記されました。同じ資料には令和9年度診療報酬改定の取扱いも盛り込まれており、生産性論と改定設計が並んで示された形です。

散布図が映す、30年間で製造業と対照的な軌跡

財務省が示した1994年から2024年までの労働生産性と労働投入量の変化率は、産業別で鮮明な差を映し出しました。

製造業は労働投入量を減らしながら労働生産性を90%超引き上げた一方、保健衛生・社会事業は労働投入量を140%近く増やしながら、生産性はむしろマイナス圏に落ち込みました。散布図上で製造業と対角線上に位置する産業は、医療・介護以外に見当たりません。

資料は、過去30年の実質付加価値額の増加に保健衛生・社会事業が大きく寄与した事実を認めつつ、「人口増加期に作り上げられた経済社会システム」を中長期的に持続可能な構造へ転換する必要性を強調。「生産性が伸び悩むまま労働投入を集中させてきた医療・介護産業が、成長型経済の実現に寄与していくためには、より少ない労働投入量で質の高いサービスを提供可能とするなど、効率的で持続可能な産業構造への転換が不可欠」と明記しました。

給付費の伸びが現役世代を直撃——「財政悪化の最大の要因」と記載

生産性指摘の背後には、給付と負担のバランス崩壊への問題意識があります。

資料によると、令和7年度の社会保障給付費は140.7兆円に

財務省、医療・介護の生産性低下を可視化 ── 30年で製造業+90%超、「より少ない労働投入で質の高いサービスを」

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事